同じ話題が新聞社により内容が異なるので、並べてみました。
どちらの記事も食習慣による栄養は載っていますが、骨の強さには運動習慣、日照時間の地域差も関係しないのでしょうか。
北日本は、冬に曇りがちで雪が積もり外出しにくい、運動も体育館の利用または雪上のスポーツに限られる、など不利な要素がありますが、結果は逆です。
解析が待ち遠しいです。
10月3日 (火)毎日新聞の記事
骨の密度が下がる病気「骨粗しょう症」が進むと生じやすい「大腿骨骨折」の人口10万人当たりの発生率を都道府県別に集計すると、中部から九州にかけての西日本で高かったとの調査結果を、大阪医大や近畿大の研究グループがまとめた。
地域差は最大で2倍程度。
食習慣の違いが影響している可能性があるといい、研究グループは要因分析を進める。
玉置淳子大阪医大教授(疫学)らは、公的医療保険を使った医療の受診記録に当たる診療報酬明細書(レセプト)の情報を全国で集めた国のナショナルデータベースを活用。
2015年の大腿骨骨折の男女別患者数を都道府県ごとにまとめ、40歳以上の10万人当たりの発生率を集計した。
全国の患者発生率は、女性が10万人当たり299人、男性同89人だった。女性が多いのは、骨の細さと骨形成に関わるホルモンが閉経により減少するため。
発生率は全国平均を100とすると、女性で最も高かったのは兵庫で120。
和歌山(118)、沖縄(同)、大分(116)、奈良(同)と続いた。
男性は高い方から順に、沖縄(144)、長崎(126)、和歌山(同)、佐賀(124)、兵庫(121)、鳥取(同)。
一方、低いのは男女とも秋田、青森、岩手、宮城、北海道の順で、63~78にとどまった。
玉置教授は「大腿骨骨折のリスク要因は、BMI(体格指数)の低さ、喫煙、多量飲酒、ビタミンDの不足。発生率の高い地域の人は、食生活に特に気を配ってほしい」と話す。
ビタミンDは、シラス干し、サンマ、干しシイタケ、イクラ、あん肝などに多く含まれる。
10月13日 (金)朝日新聞の記事
骨粗鬆症で起こりやすくなる中高年の大腿骨骨折の人口あたりの割合は西日本で高く、北海道や東北地方で低いという調査結果を、骨粗鬆症財団や近畿大などの研究グループがまとめた。
食生活の違いなどが関係している可能性があるという。
調査は、厚生労働省のデータベースを利用し、大腿骨骨折をした40歳以上の男女の割合を、年齢の偏りを調整した上で都道府県別に比べた。
2015年に大腿骨を骨折した人は男性3万2千人、女性12万人。
また高齢者ほど骨折しやすく、75歳以上が男性で76%、女性で87%を占めたという。
都道府県別に比較すると、「西高東低」の傾向が浮かび上がった。
全国平均を100とした骨折の発生比は、女性では兵庫や和歌山、沖縄などが120前後と西日本で高く、秋田や青森など東北以北で低かった。
男性も同じ傾向で、最も高い沖縄と低い秋田では2倍超の差があった。
今回の調査では地域間の偏りの原因は、はっきりしていないという。
過去にはカルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係するといった報告がある。
研究グループは食生活が影響する可能性も考えられるとしている。
研究グループの玉置淳子・大阪医科大教授は「気になる人は骨検診の受診、カルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取、運動の習慣づけや、リスクになるやせ過ぎへの注意などを心がけてほしい」と話している。