高齢男性の半数がお酒飲みすぎ

 お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が、健康を保つための「節度ある適度な飲酒(適正量)」の目安とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表、田宮菜奈子筑波大教授)の分析で分かった。

このうち、適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は高齢男性の約5%に達し、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった。

 

 退職や配偶者の死などが飲酒のきっかけになる例もあるとされ、太刀川弘和筑波大准教授(精神医学)は「高齢者の飲酒をいけないとは言えないが、くれぐれも飲み過ぎに注意してほしい」と呼び掛けている。

 健康づくりの目標を定めた厚労省の「健康日本21」は、成人の適度な飲酒量として、1日のアルコール量を20グラム程度(日本酒1合、ビール500ミリリットル缶1本程度)と設定している。

高齢者に明確な基準はないが、飲み過ぎると健康や人間関係への悪影響が出やすいとされる。

 実態を明らかにするため、研究班の翠川晴彦医師(有朋会栗田病院)らは、厚労省による2013年度の国民生活基礎調査のデータを解析し、全国約15万人の高齢者の飲酒量などを調べた。

 月1日以上飲酒する高齢者は約4万8千人で、男性の56・4%、女性の24・9%が適正量以上を飲んでいた。

 このうち「節酒」を意識していると答えた人を見ると、1日の飲酒量は1~3合が42%、3合以上が2%と、適正量が理解されていなかった。

 また「認知症」の人では、7分の1は飲酒の習慣があり、1日の飲酒量1~3合が29%、3合以上が5%だった。

「高血圧」「脳卒中」「狭心症」「心筋梗塞」では3分の1が酒を飲み、1~3合が46%、3合以上が4%を占めるなど、病気があっても飲酒し続ける傾向があった。

 

 

 ※適度な飲酒量

 日本人の場合、1日平均でアルコール量20グラム程度が「節度ある適度な飲酒」の目安。これはビール(アルコール度数5度)500ミリリットル、日本酒(アルコール度数15度)1合に当たる。一般に少量の飲酒で顔が赤くなる人や高齢者、女性は飲酒量を減らすべきだとされている。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、男性の飲酒率は40~60代で60%を超え、70代は55・5%、80代以上は39・9%と低くなる。近年、定年退職後に飲酒習慣が悪化する「定年後アルコール依存症」など高齢者の飲酒問題が注目されている。

 

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