ビタミン信仰

 東京都内の会社員の女性(38)は8年前から、総合ビタミン・ミネラル剤をほぼ毎日のように摂取している。

フルタイムで働くキャリア女性で、しばしば不規則な食生活を強いられ、仕事で疲労感を覚えることも頻繁だ。

女性は「通常の食事をしていれば、ビタミン類が不足することはないと分かっているけれど」と前置きしたうえで、「美肌や病気予防など特定の目的をもって飲んでいるわけではない。ただ、手軽に摂取できるので、つい摂取してしまいますね」とサプリメントが日常食のようになっていると話す。

 今はドラッグストアをのぞけば、どこも各種ビタミンをそろえた健康食品がずらりと並ぶ時代。

最近は、独自のビタミン剤を配合した総合ビタミン・ミネラル剤を販売する大手薬局まで現れた。

ビタミン入り栄養ドリンクを箱ごと買ってゆく消費者もいる。“ビタミン信仰”は根強い。

 

 獣医学の研究やリスクコミュニケーションの分野で著名な唐木英明・東京大名誉教授(元日本学術会議副会長)も、ある時までビタミンを信仰してビタミン剤を飲んだ。

 唐木さんは1978年から2年間、米国のテキサス大学に留学した。

当時、ノーベル化学賞(54年)とノーベル平和賞(62年)を受賞したライナス・ポーリング博士(1901~94年)が「ビタミンCは健康によい」と盛んに説いていた。

ポーリング博士は世界中にその名を知られる超一級の科学者。

博士の講演を聞いた唐木さんは本を手に駆けつけ、サインを求めるほど感激し、なんの疑問も抱かずにビタミンの健康効果を信じた。

帰国後の研究生活でも、外食が多かったせいもあり、ビタミン剤を大いに利用した。

ビタミンCは風邪の予防にもなるといわれ、80年代以降はがん予防の説まで流布し始めた。

当時を振り返り、唐木さんは「ポーリング博士の影響力は絶大だった」と述懐する。

 

 ところが、2005年、ビタミンEを大量に摂取している人たちはそうでない人たちに比べ、死亡率が高いという大規模な疫学調査結果が米国内科医学会の医学誌に載った。

08年にはビタミンEの過剰摂取は前立腺がんを増やすということが分かった。

さらに13年には各種ビタミン剤を長期間摂取しても、健康上の有効性はないとの報告も出た。

 唐木さんのような科学者でさえも、こうした一連の報告が出て、「ようやく目を覚ました」と話す。

 

  実際にビタミン類の過剰摂取とは、どれくらいの多さなのか。

 国立健康・栄養研究所が厚生労働省の国民健康・栄養調査のデータ(03~11年)を解析し、サプリメントの利用者と非利用者でビタミン類の摂取量を調べた。

利用者は非利用者に比べ、

ビタミンB1とB6は約10~15倍、

ビタミンCは約5~6倍、

ビタミンEは約9~12倍も多かった。

利用者の中には、1日に必要とされる目安の10倍近くのビタミンEやB類を摂取している例もあった。

 ただビタミン類が不足すれば、かっけやくる病といった病気の原因になるため、ビタミンが実際に不足している人にとっては、サプリメントを取る意義は大きい。

 しかし、国立健康・栄養研究所の梅垣敬三・情報センター長は過去の各種アンケート調査から「サプリを利用する人はどちらかといえば、食生活に気を使う健康意識の高い人が多いので、ビタミン類が不足しているケースは少ない」という。

現状は、サプリメントが必要な人は摂取せず、不必要な人が摂取していると見ている。どの科学者も一致しているのは「基本は通常の食生活」だ。

 内閣府・食品安全委員会は15年12月、健康食品に関する専門家会議の審議結果を19のメッセージにまとめた。

サプリメントについては「通常の食事をしていれば、ビタミンやミネラルの欠乏症が起きることはまれだ。ビタミン・ミネラルをサプリメントで補う必要性を示すデータは今のところなく、むしろサプリメントの取り過ぎが健康被害を起こすことがある」と注意を促す提言をした。

 

※10年ぐらい前にある大学教授の食事が、カップめんで空腹を満たしビタミン剤で必要な栄養を摂っていると紹介されていました。

その後の教授の健康状態は不明です。

 

野菜を自然栽培(無農薬・無肥料)で育てている方の本には、「野菜に肥料を与えると虫がつく。人間がサプリメントを摂るのは体に悪いのではないか」と書いてありました。

肥料は、窒素、リン酸、カリウムが三要素になります。

特定の栄養を摂るとその栄養が過剰になり排出され、その排出された養分に虫がつくのではないか。

同じようにサプリメントで特定の栄養を摂ると体の中で悪さをするだろうから、好き嫌いなく色々食べたほうがよいとのことです。

 

昔から言われている、好き嫌いなく、季節のもの、土地で取れたもの、腹八分目に勝るものはないのかもしれません。

 

受付時間 《予約制》

 日・水・木 :

 午前9時~午後7時


 月・金・土 :

  午前9時~午後4時

 

※お問合せの電話も時間内にお願いします 

 

火曜・第4日曜休診

臨時休診あり

 

問合せ・予約:

 090-8961-9056

(往診中は電話に出られないことがあります)

 

さいたま市北区東大成町

1-65-1-101