減塩進まず

 塩(ナトリウム)の取り過ぎは高血圧の原因となり、動脈硬化から脳血管や心臓の疾患にもつながる健康の大敵だが、日本人の減塩はさほど進んでいないことが分かってきました。

食文化が変化し、原因とされたみそ汁や漬物だけの問題ではないそうです。

どうしたら減塩が根付くのか、関係者は原因となる食品、食生活の実態把握が先決だとして調査。

年代別に違う取り組みが必要なことや食習慣に原因があることを明らかにし、戦略を練り直している。

 

 東京大の佐々木敏教授(栄養学)は「日本で何からどのくらいの塩を取っているか、実態把握が遅れていた」と話す。

 2014年の国民健康・栄養調査では食塩の摂取量は1日当たり10・0グラム。

04年の11・2グラムから減ってはいるが、あくまで食事の記録に基づく数字だ。

1日の摂取エネルギー量はここ40年で15%以上減っており、食事が減った分だけ塩も減ったと考えれば、減塩習慣は根付いていない。

 佐々木さんは13年、全国の栄養士と協力し、健康な人の同意を得て連続24時間の尿を2回ためてもらい、ナトリウム排出量を正確に測った。

摂取量を知る最も厳密な手法だ。

併せて4日分の食事を小皿のしょうゆに至るまで詳細に記入してもらい、食べ物ごとに摂取量を割り出した。

 結果は男女計760人で1日に男性14・0グラム、女性11・8グラム。

国の目標の男性8グラム未満、女性7グラム未満には及ばず、世界保健機関(WHO)の目標である5グラム未満にはほど遠かった。

 

 食品別の内訳は、調味料そのものやパン、麺類、加工食品などが高い割合を占めた。特にしょうゆ、塩、みそなどが上位。

個々の食品でなく「味付けや食べ方」の問題が浮上した。

 新潟県の進める県民運動「減塩ルネサンス」による独自調査もそれを裏付ける。

09年からの運動期間中、栄養指導や生活改善を強化したものの、塩の摂取量を減らす効果は限定的だった。

ナトリウムの排出を促すカリウムを多く含む野菜や果物の摂取も増えなかった。

 村山伸子新潟県立大教授(公衆栄養学)らは、県内の管理栄養士、保健師らの協力で、住民が何から塩を取り、どんな食習慣が取り過ぎにつながるか、一から調査をやり直した。

その結果、年代別で食習慣の特徴がはっきりと表れた。

 働き盛りの20~50代ではラーメンやそば、うどん、カレーライスといった味の付いた主食、食器一つで済む食事の頻度が塩の取り過ぎに関係していた。

弁当とカップ麺、チャーハンとラーメンのような"主食重ね"も目立った。

店や製品で大差があるがラーメン1杯には6~7グラム、カレーライス1杯には2~4グラムの塩が含まれるとされる。

 一方、自宅で食べることが多い60歳以上では、煮物や漬物の皿数、種類が塩分摂取量に関係し、調理や献立の問題が中心だと分かった。

 

 新潟県はこれらの結果をまとめ、塩の取り過ぎにつながる10の食習慣をパンフレットに載せて栄養教育に活用。

さらに、働き盛りの減塩対策として社員食堂や、給食・弁当の業者に、減塩とともに野菜や果物の品数を増やすよう働き掛けている。

また、家庭で購入する加工食品にも課題があるとして、県内の食品産業に対しても減塩への協力を呼び掛けた。

 佐々木さんは「高血圧は健康に重大な影響がある。しかし、人の味覚は大昔から、体に必須な塩をおいしいと感じるようにできている。減塩目標を達成するには、実態を正確に捉え、根拠に基づいた息の長い取り組みが必要だ」と訴えている。

 

※外食が多いと難しいかもしれません。

腹八分、麺類の汁を全部飲まない、ソースなど調味料をかける量を減らし薄味に慣れるなど、できることから始めるしかないですね。

 

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