漢方薬用植物の国内栽培

 漢方薬の原料となる薬用植物の需要が高まり、各地で栽培の動きが広がっている。

農家の高齢化が進み、耕作放棄地も増え続ける中、農家の所得向上や地域振興につながる「特効薬」として注目される。ただ、機械化の遅れや栽培の難しさなど課題も多い。

 

 

 山口県阿武町で今月中旬、農事組合法人「福の里」の農家の人らが、収穫した薬用植物のトウキ(セリ科)を湯につけてもみこんでいた。

トウキの甘みを引き出す「湯もみ」という作業で、「手間はかかるけど、基本が分かれば苦にならんね」と声を弾ませた。

 山口県やJA山口中央会などは昨年4月、薬用植物の産地化を検討する協議会を設立した。

健康に関心を持つ人が増えていることから、農家の新たな収入源として薬用植物の栽培が有望だと判断した。

県内5団体が現在、休耕地など計50アールで、トウキを含む4品種を試験的に栽培している。

 阿武町の山間地は冬の冷え込みが厳しく、ハウスでも作物が育ちにくい。

農家は「年間を通して働ける環境をつくりたい」と考えており、寒さに強いトウキに期待を寄せている。

 

 

 日本漢方生薬製剤協会や農林水産省によると、薬用植物の根や果実を加工した「生薬」の国内使用量は2012年度、中国産が81%を占め、国産はわずか12%だった。

さらに、中国では近年、経済成長で生薬の需要が拡大するなどして価格が高騰。

根や茎が日本で流通する漢方薬の7割に使われているカンゾウ(マメ科)の場合、中国からの輸入価格は08年度、1キロあたり417円だったが、14年度は999円で倍以上になった。

 このため、国内での原料調達を拡充したい製薬会社は、国内の農家との契約栽培に力を入れ始めた。

農水省も14年度から補助事業をスタート。

薬用植物の試験栽培を通じて新たな産地を見つけ、国内生産量を10年度の900トンから、18年度までに1800トンに倍増することを目指している。

 

 

 薬用植物は栽培が難しく、コメや野菜などに比べて作業の機械化も進んでいない。

 秋田県八峰町では、花に発汗作用があるカミツレ(キク科)や、根がのどの痛みなどに効くキキョウ(キキョウ科)を育てている。

しかし、町の担当者は「製薬会社から、収穫するキキョウの根は皮をむいて乾燥させてほしいと言われている。

相当な手間で、機械化したいが、ノウハウがない」とこぼす。

 事業を見直す自治体や農家も出始めている。

福岡市は2014年度、薬用植物の生産に向けた研究会を設置し、試験栽培する予定だった。

しかし、医薬品の原料とする場合、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく日本薬局方の規格基準をクリアする必要があり、同市は「基準を満たすのは難しく、採算も取れない」と判断。

健康に良い成分を含む一方で規格基準のない植物も、栽培することにした。

 静岡県は14、15年度、根が食欲不振や胃炎に効くとされるミシマサイコ(セリ科)などの試験栽培を実施。

しかし、耕作放棄地だった畑では草取りに追われ、発芽しないこともあった。

手間の割に収穫量が少なく、新年度の事業継続を見送ることにした。

 

 薬用植物に詳しい富山大の小松かつ子教授(生薬学)は「ノウハウのない農家や自治体任せの態勢では規格に適合する薬用植物の生産量を増やすのは難しい。品質の良い種苗や栽培技術を持つ製薬会社、大学と協力した仕組みが求められる」と指摘している。

 薬用植物=根などを加工した「生薬」が漢方薬の原料となる。

生薬を使った医療用医薬品の生産額は2013年、1347億円に上り、10年前の898億円に比べて1.5倍になっている。

農林水産省は新年度、薬用植物の増産を目指し、研究を強化する方針で、地域の土壌に合った品種や適用農薬などを研究し、栽培技術の確立に力を注ぐ。

 

※たばこから生薬に替わる農家もあるようです。食糧と同じように自給率を上げたいですね。

 

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