医療や介護の現場で働く人たちが考案した患者のケアに役立つ作品のコンテスト「第7回こんなものを作ってみました!看護のアイデアde賞」(日本病院会、日本経営協会主催)で、群馬中央病院付属介護老人保健施設(前橋市)の看護師らが成分の配合を考えた手作りの保湿液がグランプリに輝いた。
受賞した保湿液の名前は「お肌にやさしい潤う保湿液『ブレンド酢』」。
東京で7月に開かれた医療福祉の展示会「国際モダンホスピタルショウ2014」に合わせて開かれたコンテストで、全国から寄せられた41点の中から選ばれた。
この「ブレンド酢」の保湿液は、施設の看護師と介護士計6人の女性たちが考案し、日用品を配合して昨年4月から作り始めた。
抗炎症や代謝促進作用などがあるリンゴ酢と、保護作用のオリーブ油と水を等量で配合したもので、誤飲しても問題ないことも利点だ。
施設内で、医師や患者の家族と相談しながら、かさつきなどを訴える患者らに霧吹きでかけたり手ですり込んだりした。
従来は患者が肌のかさつきやかゆみを訴えると、市販品や処方された軟膏(なんこう)を塗っていた。
このブレンド酢を塗り始めると、軟膏を1日2回塗っていた患者が、1日1回でかさつきを訴えなくなった。
また、かゆみが減って夜によく眠れるようになった患者もいたという。
そのうえ、経費節減にもつながった。
日本経営協会によると、審査では、ブレンド酢は、身近な酢や油を使った目の付けどころに加え、皮膚状態の変化や効能をしっかりまとめて提示したことが評価されたという。
受賞グループの阿久沢彩子・副看護師長(44)は「酢の臭いもあまり気にならない。患部の状態をよく見ながら、多くの医療や介護の現場で使ってもらいたい」と話す。